宝くじ売り場を通り過ぎるたび、思い出すことがある。
私がまだ準劇団員だったころだが、舞台の稽古中に誕生日を迎えることがあった。
稽古に集中していた私は、日にちの感覚がなかったが、ふと見ると世間はGW。
やれ海外脱出だの、やれ何キロ渋滞だの言っていた。
なぜ急にGWに気づいたかというと・・・銀行が閉まっていたからだ。
当然家の中にいつもお金を置いているわけもなく、一気に超ド貧乏になってしまった。
このままではGW越すことが出来ない・・・しかも運悪く翌日から稽古も休み・・・。
仕方なく私は後輩の女優から1万円借りて、急場をしのぐことにした。
GW・・・、普通だったら、単なる世間のお休み。
しかし私にとっては、そう、「誕生日を迎えるお休み」なのだ。
その年の5/4は残念ながら誰とも約束をしていなく、でも、独りでうちにいるのもなんだから、映画でも観ようかと街中をぶらついてみた。
ところが、どの映画館も長蛇の列。
さすがGW・・・。
すっかり萎えて寂しい気持ちになり、家路についた。
と、その途中、駅の宝くじ売り場で始まったばかりの「ナンバーズ」の旗を見た。
今日は自分にとってスペシャルデイなんだから、絶対運がいいはず!
そう思った私は、借りているお金をギャンブルに使うことに一瞬だけ躊躇したが、次の瞬間書き込み用紙を握り締めていた。
そして、迷うことなく書いたのは、今まで生きてきた中で、なんか自分に縁がある数字3つ。
「4」 4期生・・・何か団体に入るたびに4期生だった私、劇団でも当然4期生。
「6」 実家のマンションの部屋が6の多い室番号なので。
「5」 5月生まれで一番好きな季節。
なんとなく、さしたる理由もない数字だが、その3つの番号を記入し、「この数字なら並び順がバラバラでもOK」というくじを買った。
その2週間後、絶対当たっているような気がしていた私。
宝くじ売り場の前でドキドキしながら表を見たら・・・・ビンゴ!!!!
初めて買ったナンバーズ宝くじで、見事当ててしまった。
それ以来、ナンバーズはやっていない。
きっとあれは、神様がくれた誕生日プレゼントなんだと思っている。
だから、いい思い出にしたいから、ナンバーズはアレでおしまい!
あ、ちなみに普通の宝くじはたま~に買っている。
当たるわけない!と思ってても、買わないと何も始まらないでしょう?
・・・・だって私の友人になんと1等を当てたツワモノがいるのだから・・・。