今回はちょっぴり淡い初恋話でも・・・。
私が始めて意識した男の子は中学1年で同じクラスの子だった。
最初は「なんて嫌な奴!」と思っていたのだが、ぶっきらぼうな振る舞いと時折見せるテレながらの優しさに知らずに惹かれていった。
劇的だったのは席替えのとき!
1年最後の席決めはくじ引きだった。
うちの中学は2年でクラス替えがあるため、このクラスでは最後の席。
それだけに私はどうしても隣の席になりたかった。
心の中で強く祈りながら引いたくじは10番。
その男の子のくじは12番。
・・・・く~、隣になれなかったけど、近い番号だからいいや!と思っていたら・・・。
なんと!男女の人数が微妙に違ううちにクラスでは番号を2つずれて隣同士になった!
“念”ってあるんだ~、と思った瞬間だったが、1年の3学期はあまりにも嬉しすぎて記憶も吹っ飛んでしまってるほど。
毎日ふわふわした気持ちで学校に行ってたんだろうな・・・。
その後、2、3年とクラスは離れたが、ちょっと目が合えば「向こうもこっちのことが好きなんじゃないか」と有頂天になり、少し廊下ですれ違わない日が続くと落ち込んだりしていた。
完璧な片想い。
ほとんどしゃべることもなく卒業したが、私は3年間ひたすらその子だけが好きだった。
さて、時は経ち、私が初舞台を踏むことになったとき、いろいろな友人へ案内状を出した。
本当に長いこと連絡していな友人たちとも、これがきっかけになるかもしれないという思いもあり案内を出した。
その名簿の中に、その男の子の名前も当然あった。
・・・少し悩んだ私は、ま、出すくらいならいいだろうと、DMを送った。
すると!!!!
その男の子の方から電話があった。
その時ほど、「あぁ、私たちは大人になったんだ・・・」と感じたことはない。
以前あれほどドギマギしていた彼と話しても普通に話せたし、何よりも以前は女の子と話すのがそんなに得意ではなかった彼も饒舌だった。
なんせ、自分から私に電話かけてくれるんだから、そりゃ、女の子との会話に緊張することはないだろう。
その時、彼はすでに年上の彼女との結婚を間近に控えていた。
私は心からおめでとうを言い、笑いながらからかっていた。
案内状を出すときは勇気が要ったけど、でも、出してよかったなぁと思えたあのとき。
私たちは電話口ではしゃぎながら、中学生にもどったり、大人になった自分を感じたり、時間を自由に行き来していた・・・。
片想いのころからたくさんの思い出はあるけれど、でも、あのときの電話は現実として一番印象深い。
私にたくさんの想いをくれた彼が、今、この瞬間、幸せであることを心より祈っている。