さて、ロンドンに行った一番の目的は、
友人の麻子嬢のロンドンデビューを観るため。
NYに住みながら世界中で活躍しているオペラ歌手の麻子。
友人歴は短いものの、なぜかお互い一瞬にして通じるものがあり、今ではそんなに繁く会わずとも大切な友達。たまにNYまたは東京で再会すると一日中しゃべり通しな私たち。
そんな麻ちゃんのロンドンデビュー。
ロイヤルアルバートホールでのマダムバタフライ。しかも主演。
そりゃ、行かなくてはっ!
…ということで、初ロンドンが実現したわけです。
3月6日。
ロイヤルアルバートホールに入ると超満席のお客様。

もうそれだけでウルウルきちゃいそうでした。
360度の客席に浮かぶように建てられた舞台セット。
水をふんだんに使い、美しい一軒家が建ちます。

ステージは…、
私のボキャブラリーでは表現できないほど素晴らしかったです。友人が出ているからではなく、そこに蝶々さんが生きていたから。
アーティストとしての麻子の素晴らしいところは、歌の技術はもちろんなんですが、それ以上に演じる素晴らしさがあります。役と共に生きる、というのでしょうか。いつもそれを感じていましたが、今回の舞台は正にそこで生きている女性の人生を見ました。
そしてこんな蝶々さん観たことない!というくらいに…今まで観た蝶々さんとは全く違う表現(笑)。思わずあとで「ね、あれは演出?それとも麻子のキャラ?」と聞いてしまったほど。おきゃんで可愛くって、危ないほどピュアで…そして強く、生命力にあふれ…。
今までの蝶々さん=秘めた強さを持つ健気なアジア女性、のイメージを一新。
びっくりした。笑
全体的な演出も素晴らしく、多くのエキストラを使い、漁村を演出。台詞のない役者たちの動きがアジアの(何となくベトナムっぽかったけど笑)空気を醸し出していました。
途中でカツラをあたかも当たり前のように堂々と取り替えたのにはびっくりしたけどね。そういえば帯も作り帯のように外していましたが。ま、海外でのマダムバタフライはいつも「どこの国?」って感じだったので…それはそれで欧米諸国から観た日本のイメージを面白く観ました。
あと、英語で歌っていたのが本当に大変そうでした。麻子は何度もマダムバタフライを歌っているそうですが、英語は初めてで、イタリア語がつい出てきてしまうのを押さえるのは想像以上に大変だったとか…。
何はともあれ、何度も何度も涙した舞台。
…後で聞いたところ、麻子自身も「舞台の上で心から満足できる舞台に出会えるのは希有。あの日のことは何も覚えていない状態。」だったとか。
カーテンコール、満場の拍手を受けた麻子は思わず顔を覆って泣いていました。
あんな彼女の姿を見るのも初めてのこと…。
わたしは、もうその途端嗚咽です(笑)
拍手が大きくってよかったです。はは。

公演後は麻子を囲んでのパーティー。
そこには普段と変わらないおしゃべりで飾らない麻子がいました。
本当に素晴らしいロンドンデビュー、
おめでとう!