ものがたりの おしまいは…
いつでも ずっと ついてくる…
ノックノックス「人魚姫」
全日程が無事に終了しました。
不安定な天気の中観に来てくださったみなさま、
応援してくれたみなさま、
本当にありがとうございました。
この公演、語ればキリがありません。
公演中ずっと、役者は幕の後ろで待機。
箱馬と呼ばれる小さな木の箱に座りながら幕一枚で隔てられている空間をずっと感じています。
その時間がどんなにか大切だったことか。
各役者や楽隊の呼吸を共有する貴重な時間でした。
そして、
私が演じた「おばあさん」
歴史ある劇団に30年近く在籍していた私は、おばあさんはベテラン女優さんが演じるのが当たり前の環境で育ちました。
その女優さんたちが演じれば、ただそこにいるだけで味があり、積み重ねた年月を感じられる…有無を言わせぬ存在感。それを間近で観て来た私にとっては、自分が老婆を演じるということにとても恐怖を感じていました。
薄っぺらになったらどうしよう、嘘くさくなったらどうしよう、と。
稽古場で自分の中で嘘くさくなっていないか自問自答しながらの毎日だったことは確かです。
しかし、稽古を重ねるうち周りのみんなに助けられ、劇場に入ると草木や音楽に助けられ、座組全員の力で創ってもらえた存在だったと思います。あそこまで徹底的におばあさんを演じられてことに感謝しかありません。
なにより
そうそう出会えない奇跡の座組。
それがこの人魚姫チーム。
みんなマイペースで、しかも気持ちよくお互いを尊重し、マイナスの空気がない、そんな座組でした。
この芝居に出られたこと=このメンバーに出会えたこと
何よりの財産です。みんな大好き。
このお話はまだまだこれから続きます。
むかしむかしのお話、でも、同時に遠い未来のお話。
少年がみんなから託されたように、
今生きている私たちが次の世代に気持ちよく笑顔でバトンタッチができますように…
観に来ていただいたみなさんの心に何か小さな芽が植えられたらこれ以上の幸せはありません。
ありがとうございました。