役者は誰もが必ず、自分一人がセリフも設定も分からず舞台に立たされる、という夢をみます。断言!
それにプラス私は、毎年6月に入ると、台本も音楽も用意していない状況で中高校生たちが集まってくる、そんな夢をみます。今年も例年通りそんな夢を何度も見ながら6月を過ごしました。
インターナショナルキャンプミステリオ。
2004年から中高校生のドラマクラスを担当しています。
全てのクラスが自由選択の中、私のドラマクラスだけは5日間のクラスで1本の芝居を創るというプロジェクトの必須クラス。したがって「やりたくない!」という子供たちもたくさんいる中での芝居創り。
毎年毎年、たくさんのドラマが生まれます。
やりたくないと泣き出す子
不安で仕方ないと泣き出す子
なんで泣いているのか分からないけど涙が出ちゃうという子
心の中にモヤモヤを溜め込んでいてそれが涙として出る子
たくさんの涙に面してきました。その一つ一つが本人たちにとって大事件です。
私も一回一回、その子たちにどうやって楽しく、ストレスなく舞台に立ってもらえるか真剣に悩みながら対しました。15年以上クラスをやっていても、どれ一つとして慣れることがない瞬間。
心の中で「でもこれまで一度も最後の発表に出なかった子はいないから大丈夫」と言い聞かせながらも…同じ「出たくない」でも子供達が違えばその悩みも違う。
ちゃんと一人一人に向き合うことが大切。
そして、泣いていない子や問題なさそうに見える子もアテンションを求めている。
だからこそ、一人一人への心配りと目配りはいくらしてもし足りないくらいです。
今年は過去最高の大所帯!
えーっと、
5年ほど前までは17,8人、そこから23,4人に増え…
もう人数的に限界!ってなっていたのが、今年はなんと38人!
普通のひとクラス分!笑
もう笑うしかない状況でした。
作品選びから一苦労。。。
紆余曲折を経て38人を飽きさせないためにも38人全員がずっと舞台に出続ける作品、Cats、に決定。
この作品はご存知のように歌とダンスだけで3時間近くを魅せていくショーです。
今回、ほとんど楽曲 全14曲を使い、それを荒技で縮め、しかも英語と日本語ちりばめ、その上セリフも付け加え…30分に!
よくぞみんな、5日間のクラスで動きもセリフも覚えました!!!
1日目は毎年のことながらどうなるかと思いましたが、4日目くらいからみんなのエンジンがかかり、最後は素晴らしい歌声に。。。
私にできることは、子供の背中を押してあげることだけ。
やる気スイッチを押すのは私ではなく、仲間の中での信頼。
だからこそ子供達自身がみんなで作り出した最終発表、あんなにも感動的だったのでしょう。
そして
そのやる気を起こさせた一因の衣装の数々38人全員に全く違った耳と尻尾を作り、フェイスペイントを考えてくれた超人Marinaに何より感謝!
そしてそして、
秦万里子さん。あなたがいないとこのクラスはできなかった。ミステリオ前から打ち合わせをし、クラス中は伴奏に徹してくれ、空き時間には子供達の声を聞いてキーを変えて…ありがとう。
アシスタンのカウンセラーメンバーも、フェイスペイントを手伝ってくれた女性スタッフのみなさんも本当にありがとうございました。
たくさん愛に囲まれてのCat’s、子供達は幸せです。
いつにも増してクラスだけに集中していたので、キャンプ自体を楽しめたかどうか…という8日間でしたが、1年に一度自分以外の38人の人間のことだけを考える一週間いうのは本当に貴重な時間です。
発表後、子供達がメッセージを書いてくれたTシャツ、不意を突かれたので感涙ものでした。
そして帰りに数人の子からこっそり渡された手紙。。。
そこに書いてある愛のこもった言葉…それがまた心にグッときました。
今年の38人。
過去3本の指に入るまとまったメンバーだったと思います。
この大人数をまとめあげたのはほかでもない子供達自身です。
この素晴らしい子供達に 大きな大きな拍手を送ります。
Hinako Ami Haruna Tsubaki MayuO HanaT TaigaC Kent Isato Taishi Wako Maya Natsuko Kotori Mayuko Satsuki MayuS Yurika Mai Manaka Chika Natsuura Hidemune Issei Momoko Mana Sora Yuka Noah Tsumugi Rei Akari Meri TaigaK Shige HanaK Yuki Takayuki
assistant: Koma Hana Fumi Taichi Marija Tomoka Kisaki Marina