さて、そろそろ、観劇レポートを・・・。
今回、一番最初に観たショーは
Brief Encounter
1945年に製作された「逢びき」という映画の舞台版。
あたしはこの映画、題名だけは聞いたことあるけど、
観たことがありませんでした。
なので、ほとんどストーリーを知らないまま・・・
良い評判だけを頼りに観ました。
劇場はあたしが一番好きなSTUDIO54。
ここで、10年近く前に上演していた「CABARET」観ました。
その衝撃は忘れられません!
STUDIO54は70年代はディスコとして使われていた空間。
なので、その空気を生かして、お酒も出し、テーブルも座席の前に用意して本物のキャバレーで見ているかのような演出のショーでした。それが、ホントに印象的。
それ以来、この劇場は・・・なんか、好き。
閑話休題。
「逢びき」ですが、いわゆる不倫ものです。しかも実にピュアな関係の二人です。
ストーリーとしては、ベタベタのメロドラマ・・・しかも優等生の。
しかしっ!
素晴らしかったこの舞台。
・・・たくさん笑ったし。
・・・最後はキュンときたし。
演出の力はすごいね。本当に。
まず、映像と役者が実に連動しているのですが、それは近年によくある、映像の中に役者が入り込む・・・という仕掛けだけではなく、もっと大胆に使ってるんです。
なんせ、心が波立っているときには、本当に後ろの映像で大波が現れるんですよ。笑
えーーー、そんなシリアスなシーンでそれをやる?!というのが実に心地よい。
恋して気持ちが舞い上がってるときは、本当に主役の二人は天に舞い上がって、浮きながらキスしてるし。
風が吹いたらみんななぎ倒されてるし。
(・・・・でも、これがまたうまいのは、大風が吹いて毎回みんな斜めになぎ倒されてるけど、最後だけはヒロインがすっくと立っているんだよねぇ。)
周りの役者さん達が達者なので、いろんな役を演じながら二人のメロドラマを常に観察。
それによって、二人のベタベタの不倫物語は、まさに白黒映画から抜け出してきた2人をみんなが見守っているような感覚に・・・。
照明を変えるだけで、正に人物も含め白黒に見えるシーンがあったりして。
何が実像で、何が虚像か・・・不思議なシーンでした。
また、
小道具の使い方も最高!
・・・何度笑ったことか。このベタベタのメロドラマで(笑)
でもね、間違ってはいけないのが、単なる面白シーンやアイディアのつながりじゃなく、芯の二人をきっちり土台に置いている演出になっていることがあるから、すばらしい作品になっているのです。
だからこそ、芝居が進むにつれ、登場人物全員に愛情を感じることができるんですね。
ローラ役のハンナは、イギリス英語で表情も少なく…最初はあまり魅力的に感じなかったのが、最後のシーンではぐっと来てしまいました。
きっと演出家はこの作品を楽しく演出したんだろうな。
この自由な発想に完璧やられました。
観に行ってよかった〜〜〜。
ちなみに、TKTSで半額でしたよ。しかも前から3列目の真ん中。
ラッキー。