幸せなことに私には才能豊かな音楽家の友人が何人かいます。
オペラだったり、ピアノだったり、お箏だったり、ヴァイオリンだったり。。。
その中の一人がミュージカル女優の笠松はるちゃんです。
一緒にご飯に行ったり、うちに遊びに来てくれたりして、プライベートもなんでもさらけ出せる友人です。
はるちゃんは元劇団四季のプリンシパル。
オペラ座の怪人の「クリスティーヌ」サウンドオブミュージックの「マリア」、数々の舞台で主演を演じてきました。ミュージカル以外の舞台でも素敵ですが、でもやはりはるちゃんの武器は伸びやかで華やかな歌声。
薄幸な役や素朴な役が多いのですが、本人は大阪人らしい底抜けの明るさをもった芯の強い女優さんです。
考えてみたら劇団四季では「サウンドオブミュージック」の福岡公演でたった1週間だけ共演しただけでしたが、不思議と昔から知ってるような感覚がありました。
その後、彼女が四季退団後に出演した「オンディーヌ」で再共演。
この舞台で、私は彼女の強さに感服し、そして自分に厳しく努力を惜しまない姿を見て深く尊敬しました。
彼女の舞台にかける姿を目の当たりにして、とても刺激を受けたのを今でも覚えています。
そんなはるちゃんが初のワンマンライブをするとのこと。
そりゃ、応援しに行かないわけにはいきません!
まだまだ冬の風が吹き抜けるとある日、ライブハウスに出向きました。
久々に会うダンサー滝沢由佳ちゃんも一緒。二人で弾丸トークで積もる話を繰り広げていると客席は満席、熱気ムンムン!
なんとこのライブ、チケット発売後1時間で売り切れたそうです。すごいですね、どれだけファンの皆さんが待ちわびでいたかを強く感じます。
私も母のように姉のようにドキドキしながらはるちゃんの登場を待っていましたが、第一声のはるちゃんの声を聞いてぶっ飛びました。
なんでしょうね…
大好きな舞台から離れていた数ヶ月間、
苦労したことでしょう。
辛かったことでしょう。
でもその離れていた時間こそが新しい彼女を育ててくれてたんだなと思いました。
杉村春子さんの「若い頃いっぱい時間があったからこそ今の自分がある」という言葉を思い出します。舞台が無い時間の過ごし方こそが女優を育てるんですね。
満席の観客を魅了し、四季時代とは全く違う歌い方や表現力、そして圧倒的な歌唱力。。。
私も最初の曲から胸がひたひたになり涙が溢れそうでしたが、会場を見回すとたくさんの観客が泣いていました。
ステージ上で一人だけですっくと立つその姿は、新笠松はるの誕生を鮮烈にアピールしたのでした。
終演後、私たちの前に現れたのはいつものようにおどけたチャーミングなはるちゃん。
一流シンガーはるちゃんと一流ダンサー由佳ちゃんと共に過ごした時間。
ここ数ヶ月低迷期だった私の心に前に歩きだす大きな力をもらえた時間でした。
ミュージカルファンのみなさん、これから「笠松はる」の名前を注目しておいてくださいね。