うちの電話機だんだんおかしくなってきている。
そろそろ寿命かもしれない。
留守電の応答メッセージを録音するのに昔は意味もなく凝ってみていた。
特に学生のころは友達にも手伝ってもらい・・・
「はっはっはっは!聖子は私が預かる!返して欲しければメッセージを吹き込め!こちらから連絡する!はっはっはっは!」
「キャーーーーー」
ピー。
おいおい・・・今、考えると恥ずかしくて・・・。
あと気に入っていたのが音楽入りのメッセージ。
自分の好きな曲をBGMにして応答メッセージを録音する。
一番長く我が家に君臨したのはビリー・ジョエルの「ピアノマン」の前奏。
いや~、使用していた期間も長かったけど、応答メッセージ自体長かった!
延々、ハーモニカの前奏を聴かされて、やっと私の声で応答メッセージ。
これはかけてきた人にとっては苦痛以外なにものでもなかったろう・・・。
ごめんなさい。
そんな私なので、新しくメッセージを吹き込むときは、頭の中で考えている時間も長い。
ところが!それで大失敗を!!!
まだ研究生だったころ新宿のラテンライブレストランでフロントのバイトをしていた。
キャッシャーと予約受付なので開店してまもなくは、帰るお客さんもいなくてかなりヒマ!
そこで、私はぼーっと次の留守電の応答メッセージを考えていた。
すると店の電話が鳴った。
反射的にとった私は・・・
「はい、田野です。ただいま留守にして・・・・」
この辺で気づいた!
電話の向こうで予約のためにかけてきたお客さんが「アレ?アレ?」といっているのが聞こえる。
もうあとに引けなくなった私は、顔を真っ赤にしながら続けるしかない。
「・・・います。用件をメッセージを吹き込んでください。・・・。」
さて!
この後どうしよう・・・。
一瞬躊躇はしたが、・・・・がんばった!
か細い声で「ピー・・・・・」、そしてすかさずガチャッと電話を切った。
あ~、恥ずかしかった!
周りに誰もいなかったのが幸いだが、でも、とてつもなく恥ずかしかった。
すぐに同じお客さんから電話があったが、一呼吸置いて、一生懸命声を変えて電話に出たのを今でも覚えている。
作り話に聞こえるかもしれないが、ホントにホントの話・・・。
大人になってしまったのだろうか?
今、うちの留守電は、面白くもない機械音。
新しい電話を買ったらどんな応答メッセージにしようかしら?
久しぶりに頭の中でグルグル考えてみるのも楽しいかもしれない。